犬は季節により必要とするカロリー(熱量)が変わります。冬の寒い時期には体温が奪われるのでその分エネルギー源としての食事を多く摂る必要があります。
さらに、体温維持のために皮下脂肪を蓄え、太ろうとするためよく食べるようになります。
反対に夏の暑い時期には体温が奪われることは少なく、逆に熱が体内にこもらず発散しやすいように皮下脂肪を落とす必要があるため食欲が落ちて痩せる傾向にあります。
犬自身が、必要に応じて食事量(摂取カロリー)を調節しているのです。
飼い主さんの中には犬の食欲が落ちた時に、食べるものを欲しがるものだけを与えているという人がいます。それでは栄養が偏ったり、カロリーオーバーになってしまうこともあり健康上もよくありません。食欲が落ちているのに元気があり、散歩もよろこんでいく、おいしいものは食べる、下痢や吐き気の症状はないなどの場合、食欲の低下があっても病的とは考えないでよい場合もあります。無理に食事を食べさせる必要はありません。
なかには夏の暑い時期に冬と同じ位の食欲がある犬もいます。この場合は飼い主さんが食事内容を調節し、カロリーを抑え、太りすぎにならないようにしてあげる必要があります。
暑さがやわらぐ秋になると落ちていた犬の食欲が徐々に回復します。また、冬の寒さへの準備のため多くのカロリーを必要とするため食欲が出てきます。夏よりも少し多くカロリーが摂れるように食事を与えてください。しかし欲しがるだけ食べさせたり、食事以外のおやつを増やし過ぎて肥満にならないよう注意してください。
犬の病気には異常に食欲が出てしまうものもあります。涼しくなって食欲が戻ってきたのか、病気により食欲が増進しているのか見極める必要があります。よく分からない場合には動物病院で診察を受けてください。