過去と未来をつなぐ、かけがえのない情報 ~引っ越しされる方へ~

2012年2月9日

   今回のトピックスは、動物病院の先生が、「引っ越されてこられた動物たちの治療を円滑に行うため」に、ご家族にお願いしておきたいことをテーマとします。

 
   被災地からの引っ越しや転勤に伴う引っ越しでも、ご自宅で飼育されている動物たちの世話を怠ることはできません。
   被災者優先、ご家族優先であることは、間違いありませんが、一緒に避難し引っ越してきた動物たちも、ご家族にとっては、かけがえの無い家族です。
   動物たちは、環境の変化に敏感です。ご家族が一緒にいるから安心とは限りません。

   引っ越し時にドタバタしてしまい、投薬を忘れたり、環境の変化によるストレスなどを見逃す可能性もあります。
   特に、内分泌疾患や心臓病がある場合は、しっかり、薬を投与していても、知らないうちに病状が悪化していることもあります。

 引っ越し先で、ご家族の動物たちの異変に気が付いた時は、行ったことの無い動物病院を調べ、受診することとなるでしょう。(受診する際も、できたら先に電話にて一報を入れておいていただけると幸です。)

 ご家族は、「初めて訪れる動物病院はどうなんだろう・・・」と心配されて受診されることだと思いますが、獣医さんも「どんな病気なんだろう、どんな薬をのませているのだろう、持病が悪化しているのではないか?」と心配をしています。

 

 診察する獣医師からの希望ですが、動物病院を受診する際にあると診察がスムースに進む情報がいくつかありますので、ご紹介させていただきます。
 情報が多ければ多いほど、無駄な検査や時間をかけることがなくなるので、お互いのミスマッチを減らすことができます。

 【1】かかりつけの動物病院から説明していただいたデータ
  かかりつけの動物病院からいただいた血液検査などのデータなど。
  説明を受けたプリントなど。
  薬(内服薬・外用薬・シャンプー・サプリメント)の内容など。
  食べている動物病院用療法食など。

 【2】飲んでいる薬
  飲ませている薬や塗っている外用薬など、実際に使用している物。

【3】病名
  かかりつけの先生から聞いた病名。
  どこが悪いのか(心臓?胃・腸?肝臓?腎臓?)? 

【4】性格・体質(一般的な事柄)
  フレンドリー・臆病・犬ぎらい・嬉ションなど
  ワクチンアレルギーの有無、予防、避妊去勢の有無など

【5】その他
  手術内容や、その他特別なことがらなど。

 

 また、最近の動物病院では、引っ越しなどをする時、希望すれば診察治療記録を作成してくれることが多いため、診察履歴書を作成してらい、現在の病状とともに転院受診時に提示していただくのが最も的確に伝わると思います。

○ 今までの診察治療記録(診察履歴書)
 
引っ越されるまでの時間がある場合は、かかりつけの動物病院に、今までの診察治療内容(薬品名、量など)をまとめたものを作成してもらってください。
 特に、薬用量やワクチンの副作用がある場合は、特記していただけると幸です。引っ越し先がわかる場合は、お知り合いの先生や動物病院を紹介していただけると、 さらに良いと思います。
 また、書類作成料がかかる場合もありますので、確認しておいてください。レントゲンなど、一点ものの場合は、お渡しできない場合もあります。

○診察記録をもらい忘れた場合
 
もし、診察履歴書をもらい忘れた場合は、いままでの治療内容を思い出して、どんなことを説明され、どんな治療をしたのかメモし直しておくとよいでしょう。
 デジタル記録なども有用なので、皮膚病や下痢のときの状態を撮影し、保存しておく となお良いでしょう。
 引っ越し先で、ご家族と動物たちが幸せに暮らせるよう、また、円滑に診察が進むよう、情報の共有ができるよう準備していただけることを希望いたします。

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