糖尿病は広く知られる病気ですが、猫も糖尿病になってしまうことがあります。糖尿病は、血液中のブドウ糖をエネルギーとして利用できず、血糖値が持続的に高い状態(高血糖)のことをいいます。
糖尿病になりやすい要因(猫において)
・肥満
食べ過ぎ、運動不足などによります
・糖分(炭水化物)摂りすぎ
猫は肉食動物であり、低炭水化物・高蛋白質が推奨されます。猫は糖分を摂ると、血糖値が上がりやすく、下がりにくいという特徴があります。
・ストレス
猫はストレスがかかると、高血糖になる傾向が強いです
猫の糖尿病の主な症状
・多飲多尿(飲水量と尿量が増える)
・多食(食欲旺盛)
・体重減少(痩せてくる)
飼育されている猫に、糖尿病の心配がありましたら、早めの受診をお勧めします。
猫の糖尿病の約8割はヒトの2型糖尿病に類似した病態ではないかと考えられています。ヒトの2型糖尿病は生活習慣病であり、体質(遺伝)や高カロリー食、高脂血症、運動不足などが原因と考えられています。そのため、早期に適切な治療や食事療法を行うことができれば、改善のみられることが少なからずあります。
膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンというホルモンによって血糖値は下げられます。血液中のブドウ糖には、インスリンの分泌能抑制、β細胞障害の作用があります(ブドウ糖毒性)。そのため、できるだけ早く持続的な高血糖を改善させることが、病気の悪化を防ぐには必要です。
<参考>
・2型糖尿病とは~生活習慣病、高血糖~
https://www.diabetes.co.jp/dac/diabetes/about2
・犬と猫の治療ガイド 2015 interzoo 猫の糖尿病