変形性関節症とは、関節部分の骨が炎症などにより変性し骨増生が起こり変形してしまう関節疾患です。本来、滑らかなはずの関節が変形しゴツゴツになった結果、痛みが出てきたり、うまく関節が動かせなくなったりするものです。
昔は、一部の品種を除いて猫に変形性関節症は無いと言われていましたが、近年は平均寿命が延びた事もあり、意外に多くの猫が変形性関節症になっている事がわかってきました。
猫は犬と違って高い場所に飛び昇ったり飛び降りたりと、縦の動きもします。その度にかなりの衝撃を関節が受け止めていて、日常の生活でも関節にかなりの負担がかかっているはずです。それを何年も続けていれば関節にダメージを受けて炎症が起きてしまうのも不思議ではありません。特に肥満であれば、さらに関節に負荷をかける事になります。
もともとしなやかに体を動かす事の出来る猫は、関節を痛めていても症状がわかり難いところもあり、我々の動物病院でも別件でのレントゲン撮影時に偶然発見する事もあります。高い場所に飛び乗らなくなった、あまり動きたがらない、時々びっこをひくなど思い当たる症状がある場合は変形性関節症になってしまっているかもしれません。
痛みが出てしまった場合は消炎鎮痛剤を投与するなどの内科療法で痛みを和らげてあげる事になりますが、変形した関節を元に戻す方法は無く完全に治すことは出来ません。さらに悪化させない様に、また猫自体が快適に生活できる環境を工夫してあげたり、太り過ぎの子の場合にはダイエットするなど関節に出来るだけ負担をかけない様にケアーしてあげる事になります。
気になる症状がある場合は動物病院で相談してみて下さい。