○マイクロチップとは
マイクロチップは、直径約2mm×約13mmの小さなガラス製の円筒形電子名札です。それぞれのチップの中には、世界でただ一つの個体番号(ID情報)が記録されていて、これを動物の皮下(皮膚のすぐ下の部分)に注入することにより個体識別をするものです。ID情報は、専用のマイクロチップリーダー(読み取り機)で読み取ることが出来ます。このID情報は日本動物保護管理協会(AIPO)という団体が一元的に管理しています。マイクロチップを注入した時、AIPOにこのID情報を登録しておくことにより、このID情報を持った動物は何処の誰かということが、飼い主さんでなくてもわかるようになっているのです。
○マイクロチップの注入は
マイクロチップはお近くの動物病院で獣医師に注入してもらいます。注入の方法は、少し太めの皮下注射と変わらないため、動物に負担をかけることはほとんどありません。 また、注入されたマイクロチップは生体適合ガラスでおおわれていて動物の体の中を移動しないように表面に特殊な加工がされているものもあります。マイクロチップ本体には電池などを使用していませんので、注入して半永久的に使用可能です。
○マイクロチップを注入しておくと
マイクロチップを注入してある動物が迷子になった場合、県内各所の保健所や動物指導センターに収容されますが、保健所や動物指導センターにはマイクロチップリーダー(読み取り機)が置いてありますので、この動物のマイクロチップのID情報を読み取ることで、飼い主が判明して連絡をとることができます。
○動物検疫とマイクロチップ
海外から犬、猫などを連れて来る場合、狂犬病予防注射の有無や健康状態の証明などが必要ですが、これらの証明書類はマイクロチップによって個体識別がなされていないと証明書と動物の照合ができないとみなされてしまいます。マイクロチップによる個体識別ができていない場合、動物の検疫期間は180日間にもなります。マイクロチップの注入がしてあって、そのマイクロチップで識別された後の狂犬病予防注射が指定された回数接種してあり、かつ狂犬病の抗体価が一定の基準以上あるなど、いくつかの条件を満たしている場合の検疫期間が12時間であることを考えると、海外へ犬、猫を連れて行って、また帰って来ようとする場合には、その動物へのマイクロチップの注入は必須といってもいいでしょう。