○カンピロバクター
・カンピロバクターは鶏など動物の腸管内に存在し、鶏肉など、食肉に付着しています。
・他の食中毒菌に比べ、少ない菌数(500個程度)でも、ヒトに食中毒を発症させます。
・主な症状は下痢、腹痛、発熱などです。
発症するまでの潜伏期間が2〜7(平均2〜3)日と、他の食中毒菌に比べて長いのが特徴です。
【予防方法】
(1)よく加熱する
カンピロバクターは加熱することで死滅します。特に食肉は中心部までしっかり加熱しま
しょう。また、子供や高齢者など、抵抗力が弱い方は、レバ刺しなど、食肉を生で食べるこ
とは避けましょう。
(2)菌をつけない
カンピロバクターは少ない菌数でもヒトに食中毒を発症させるので、食品にカンピロバク
ターをつけないことが大事です。例えば、生肉を取るときに使ったはしに、細菌がつく場
合があります。せっかく肉を加熱しても、生肉に触れたはしで食べて、食中毒が発生した
事例があります。
・肉などを食べるはしと、肉などを焼くはしを別に用意しましょう。
・肉などは、他の食品と調理器具や容器を分けて処理・保存しましょう。
・肉などを取り扱った後は、手を洗ってから他の食品を取り扱いましょう。
・肉などに触れた食器や調理器具等は、使用後、洗浄・殺菌しましょう。
(殺菌は、熱湯・塩素系消毒剤を使用しましょう。)
○ノロウイルス
・ノロウイルスは食品中では増殖せず、ヒトの腸内でのみ増殖します。
・ウイルスに感染したヒトの糞便やおう吐物が手指や食品などに付いて、ヒトの口から入り感
染します。
・ウイルスが少量でも(10〜100個程度)、感染することがあります。
・主な症状は吐き気、おう吐、下痢、腹痛、発熱などです。発症するまでの潜伏期間は1〜2日
です。
・下痢等の症状がなくなっても通常、患者便には1週間程度ウイルスが排泄されるといわれてい
ます。(長いときは1ヶ月程度排泄が続くことがあります。)
【予防方法】
(1)よく加熱する
ノロウイルスは加熱することで死滅します。(中心温度85℃以上で1分間以上)
(2)手指をしっかり洗う
調理前、トイレの後、調理作業の節目には手を十分に洗いましょう。手洗い後の手拭には
極力使い捨てのペーパータオルなどを使用しましょう。
(3)調理器具を十分に洗浄消毒する
調理器具は、よく洗浄した後に塩素系消毒剤か熱湯で消毒しましょう。
(4)患者の便やおう吐物の処理には十分に注意する
患者の便やおう吐物は素手で処理せずに、使い捨ての手袋などを着用し、ペーパータオル
などでふき取り、使用したペーパータオルなどは0.1%(1,000ppm)次亜塩素酸ナトリウ
ムとともに、ビニール袋に入れて廃棄しましょう。床も0.02%(200ppm)次亜塩素酸ナ
トリウムで拭いておきましょう。