これからの季節に欠かせない乾燥対策

2018年9月26日


 季節が秋から冬になると空気が乾燥します。
 そのため皮膚や、呼吸器(鼻腔・咽喉・気管など)の粘膜が乾燥することで、
様々なトラブルを起こす原因となります。


◇皮膚に出やすい症状

 イヌやネコの表皮は被毛に覆われているためヒトに比べて薄く、とてもデリケートです。そのため空気が乾燥すると表皮の潤いが低下し、様々な刺激に対して敏感になるため痒みを感じやすくなります。掻いたり、舐めることによって皮膚に傷がつき、皮膚の炎症や感染症などを誘発することがあります。

 被毛がバサバサしている、あるいはベタベタしている、フケが目立つ、皮膚が赤い、痒みがあるなどの症状がよく見られます。

 乾燥している状況では被毛がベタベタすることはないと思われがちですが、角質(フケ)が剥がれ落ちやすくなるので、表皮を守るために皮脂を過剰に分泌し、皮膚や被毛がベタベタしてしまうケースもあります。  

◆対策

 皮膚の乾燥には、保湿性のある低刺激なタイプのシャンプーやリンス、スプレー、滴下式の保湿剤などを使うと良いでしょう。後にも述べますが、適切な湿度を保つことも大切です。

注意したいのは、ベタベタした状態のときに皮脂や角質(フケ)を取り除くタイプのシャンプーを使い過ぎると、一時的な改善は見られるものの、さらに皮脂の分泌が激しくなり悪化してしまうことがあります。
 異常を感じたら早めに受診することをお勧めします。

 

◇呼吸器系(鼻腔、咽喉、気管など)に出やすい症状

 呼吸器の内側は粘膜で覆われており、適度な潤いを保つことで体内に吸い込んだ異物(ホコリ、細菌、ウイルスなど)が粘膜に付着した際、痰や鼻水を介して体外に排泄をしています。

 空気の乾燥により粘膜の潤いが低下すると、スムースに異物の排泄ができなくなり、クシャミや咳がでることがあります。

 粘膜の乾燥はバリア機能が低下する一因でもあり、感染症に伴う鼻炎、気管支炎、肺炎などを起こしやすくします。すでに呼吸器系の持病がある場合、症状が悪化することがあります。

◆対策

室内の場合、40-60%の湿度が適切とされています。暖房器具と併用して加湿器を用いるなど湿度を保つ工夫をしましょう。

室外飼育をされている場合は、寝床となる場所をビニールシートで覆ったり、風除けを作ってあげることで、ある程度の対策となります。

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