世間では、様々なダイエット法が流行っては消えていく昨今ですが、けっしてダイエットの話題がなくなることはありません。それだけ多くの人が関心を持っているテーマですが、人間だけではなく動物でも大きな話題になっています。
◎「先生、うちのこは太りすぎですか?」
と聞かれますが、我々はどうやって肥満の判断をしているでしょうか?
じつは定義があって、理想体重の15%を超えると肥満とされていますが、もっと簡単に見極める方法があります。
動物種や品種によって多少の差はありますが、一般論として
①おなかが丸みをおび、くびれがない
②あばら骨が触れない
③首と脚に脂肪が蓄積している
これらの特徴を総合的にみて、どの程度の肥満なのかを判断しているのです。
◎「フードを少ししか食べてないのに、なんで太っちゃうんですか?」
それはフード以外のおやつが多いからと考えられます。
たとえば、1日にささみジャーキー2本だけ与えているとしましょう。
しかし、本人が2本だけと思っていても4人家族で全員が2本ずつ与えていたら8本、もしかしたらそれ以上与えているかもしれません。
もちろんおやつがいけないわけではありません。可愛い動物が自分の手からうれしそうに食べている姿は家族全員が見たいでしょう。
だから、おやつの1日量をきちんと決めて家族全員で分け与えれば解決できそうですね。
ただ、一部の病気で異常に食欲が出てしまう病気、エネルギーの代謝が悪くなり太ってしまう病気もありますので要注意です。気になることがあれば獣医師の診察を受けるとよいでしょう。
◎「どうやってダイエットしたらいいんですか?」
減量の原則として、摂取カロリーが消費カロリーより少なければやせていきます。理屈は単純ですが、実行するのはとても根気が必要です。
運動で消費カロリーを増やすのはまとまった時間が必要ですし、肥満の動物にはかえって足腰を痛める原因になるかもしれません。
なので摂取カロリーを少しずつ減らしていくのが現実的でもっとも効果的な方法なのです。
まず、おやつの量を減らしましょう。
次に減量用フードを用意します。市販の低カロリーフードもたくさんありますので、よく比較して選んでみましょう。
これを3~6ヶ月続けてみてください。徐々に体重が落ちていれば大成功です。あまり変化がない場合は、病気のせいで太っている可能性もありますので獣医師に相談してみてください。
もしそうでなければ、動物病院専用の減量フードを出してもらいましょう。給与量や目標体重を設定して、指示通りにできればきっとうまくいくでしょう。
◎「やせすぎにもご注意!」
なかには明らかにやせすぎな動物も見受けられます。
①あばら骨が浮き出ている
②腰の骨(骨盤)が浮き出ている
というのは明らかなやせすぎの特徴です。
もちろん病気で食べる量が減った結果としてやせてくることもありますが、食べているのにやせてくる病気もありますので要注意です。
また、肥満にならないよう気にするあまり、食事量を制限しすぎているケースに遭遇することもあります。もちろん健康的ではありません。
生き物にとって食べることは必要不可欠であり、最大の楽しみでもあります。
しかし、ペットは自分で食べ物を選んだり、食べる量を調節することができません。これを上手に管理することも飼主さんの重要な役目のひとつですね。