私たちが食べるお肉の安全はどのように検査しているのですか
消費者のみなさんに"安全"で"安心"できる食肉を提供するため、お肉の安全性を検査することを『とちく検査』といいます。
生産者が健康と判断して、牛や豚を食肉にするために出荷しても、「病気の潜伏期間中のもの」や「輸送中に発病したもの」が混じっている可能性があり、これらは食用には適しません。
そのような病気や異常の有無を、流通前に一頭ごとにチェックして、排除するための検査が、「と畜場法」に基づき行われる『とちく検査』です。
検査は、獣医師の資格を持つ「とちく検査員」によって行われ、病気の有無が一頭一頭チェックされます。牛、馬、豚などの獣肉の場合は、
- 生体検査 生きている家畜の異常の有無などを検査します。
- 解体前検査 と殺後、血液の性状などを検査します。
- 解体後検査 解体後の内臓、頭部及び枝肉を肉眼的に検査します。
食鳥検査(鶏・アヒル・七面鳥など)の場合にも、とちく検査と同様に三段階
- 生体検査
- 脱羽後検査
- 内臓摘出後検査
に分けて、一羽ごとに行われ、病気や異常のあるものは廃棄されます。
病気の動物や死んだ動物は肉になるのですか
病気の動物がとちく場に搬入された場合は、他の健康な動物とは分けて、とさつ、解体し、検査を行います。
炭そやトキソプラズマ病、豚丹毒などの法律によって定められた疾病の動物は食用となることはありません。
また、外傷や炎症が限局されている場合はその部位のみが廃棄されます。
とちくされる前に死んでしまった獣畜は基本的には食用にできません。
ただし健康な獣畜が不慮の災害により即死した時は、「人の健康を損なうおそれがなく飲食に適する」と認めたものについては、食用とすることができますが、この場合でもとちく検査員である獣医師の検査を受けなければなりません。
肉骨粉とはなんですか。なぜ問題になっているのですか
家畜や家禽など食用動物から食肉を取ったあとには、くず肉や食用にできない内臓・骨などが残ります。
これらを加熱処理して獣脂を分離した後、残ったかすを圧縮乾燥したものを肉骨粉といいます。
かつて牛に由来する肉骨粉を牛の飼料に添加していたために、牛の間でBSEが広まったと考えられています。
このため日本では、牛の肉骨粉を牛や他の動物の飼料に使用することが禁止されています。