ペットショップに行くと、幼犬用、成犬用、老犬用といろいろなペットフードが売られています。本当にそれぞれの時期にフードを変えなくてはいけないのでしょうか
成長期には、今ある体を維持するだけでなく、成長するためのプラスアルファーの栄養素が必要です。
おとなの動物は今の体を上手に維持するための栄養のみでよいです。
しかし老齢期になるとあまりタンパク質が多いと肝臓、腎臓に負担がかかります。
そのために老齢動物にはタンパク質を控え、また代謝効率が衰えた老齢動物に必要なビタミンなどの栄養素を強化した食事が必要です。
いろいろな病気用に食事療法があると聞いていますが、効果はあるのですか
最近、栄養学は大変進歩し、いろいろな病気用の食事が用意されています。
食事療法を併用することにより、ふつうに治療するだけよりもはるかに効果があるケースがたくさんあります。
しかし食事療法は専門知識を持った獣医師が、それぞれの病気に合わせて選択して初めて効果があります。
もしあやまって、治療食を選択すると、かえって病気を悪化させてしまうこともありますので、動物病院から処方してもらい購入することをお勧めします。
犬に与えてはいけないものってあるのですか
犬は雑食動物で、何でも食べる習性があります。
しかし、すき焼きやおみそ汁などの残りをあげて、タマネギ中毒になったり、チョコレートによって中毒を起こすことがあります。
場合によっては命取りになることもありますので注意してください。
また、トリの骨も絶対にあげないでください。
トリの骨は先がとがって割れやすく、のどや食道、胃に刺さる危険があります。
猫にイカを与えると腰を抜かすと言われていますが、どうしてですか
多少あげても大丈夫かもしれませんが、生のイカに含まれるチアミナーゼ酵素はビタミンB1を破壊すると言われています。
その結果神経が麻痺して腰を抜かすことがあります。
猫にペットフードだけを食べさせていると、鉛がたまって死んでしまうというのは本当ですか
日本では、公正取引委員会の指導のもとに設けられた『ペットフード公正取引協議会』で『ペットフードの表示に関する構成競争規約』と言うものがありますが、人の口に入るものは、細かい法的な基準や規制が設けられていますが、野菜の残留農薬の問題、食品の偽装表示、魚類の汚染など食品の安全性への不安は高まるばかりです。
ご質問の鉛に関しては、環境破壊と共に増え続ける重化学金属による汚染の1つとして、人の子供への影響が大きいとされ研究が進んでおり、神経系、赤血球、酵素や免疫システムに打撃を与え、精神障害、多動症、貧血、癌などの原因になると言われています。
もちろん、犬や猫の体内にも蓄積され、同じような病気が発症することも予想されますし、有害物質は、鉛だけではありません。
人もペットも安全な食べ物を口に入れるためには、知識と労力(そして費用も)が必要になってきています。
ましてや物言わぬペットに安全な食餌を提供する飼い主さんの責任は重大になります。
最近は、酸化防止剤に天然のものを使用している“ナチュラルフード”といわれるものを購入したり、より安全性を求めてハンドメイドのペットフードを食べさせている飼い主さんも多くなってきています。
ペットフードを購入する際のチェックポイントを教えてください
- 合成甘味料・合成調味料・合成着色料・防カビ剤などの合成添加物や酸化防止剤を使用していないこと。
- 成分表示がより細かく表示されていること。
- 酸化防止と品質保持の為に、ビタミンCと天然ビタミンE(天然型ビタミンEではありません)が添加されていること。
- 穀類が“粉やミール”ではなく、全粉穀類を使用していること。
良質な食肉や脂質を使用し混ぜ物なく植物性脂肪が使用されていること。
賞味期限がより短く表示されていること。 - パッケージが紙製でなく、酸化防止の窒素が充填されたアルミ製であること。
子供がペットフードを誤って食べてしまいましたが、大丈夫でしょうか
ペットフードのパッケージには必ず『ペット以外には使用しないこと』あるいは『小さなお子さんの手の届かない所で保管してください』などと書いてあります。
これは『人が食べた場合は保証できませんよ』と書かれているのと同じことなのでやはり口にしない方が良いでしょう。
子供さんの手の届かない所で保管することは勿論ですが、ペットに食餌を与える時は、食べきる量を与え、いつまでもペットの食器にフードが残っているような状態にしないことも大切です。