この病気の存在が世界中の研究者に知られることになったのは1998年前後から中南米やオーストラリなどを中心に世界各地で両生類の減少、絶滅が起こってきたことから調査が行われ、その原因菌として考えられたためです。
それ以前にも世界的な両生類の減少は知られていましたが、環境破壊や汚染(酸性雨や化学物質の流出)、地球温暖化などが主な原因と考えられていました。しかし、詳しく調べてみると、おおよそ人間活動の影響を受けにくいような地域(自然保護区など)や奥地でも両生類の減少が起きており、原因を探ったところこのカエルツボカビ症ということが判明しました。
カエルツボカビ症は外観的な症状はなく死にいたってしまいます。そのため野生の場合、集団で外傷のない死体が有る場合、この病気の可能性があります。
カエルツボカビに感染した両生類(カエルやサンショウウオなど)は治療を行わない場合には致死率が90%以上ともいわれています。中米のパナマでは、カエルツボカビが侵入してから、わずか2カ月で一部地域のカエル個体群が全滅したといわれています。アメリカでも、アリゾナ州のタラフマラカエルがカエルツボカビによって死に絶えた例などが報告されています。
中米でのカエルツボカビの猛威が有名であるために、熱帯特有の病気であるかのようなイメージもありますが、実は発育の好適温度はおよそ17〜23℃とされています。その生態からすると日本にもひとたびカエルツボカビが侵入すれば、貴重な多くの固有両生類を失うことは必至と考えられます。 |